内視鏡検査
内視鏡検査
※当院の疾患対象年齢は16歳以上です
内視鏡検査とは内視鏡と呼ばれる細長い管状の器具を用いて体の内部を挿入されたカメラで観察します。内視鏡というと胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)や大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)がポピュラーではないでしょうか。医療現場では呼吸器系(気管、気管支)、泌尿器系(膀胱、尿道)、婦人科系(子宮、卵管、卵巣)など、体のさまざまな部位で行われます。これにより、疾患や異常の早期発見や診断、治療上の情報を得ることが可能です。検査は一般的に、麻酔や鎮静剤の使用下で行われ、痛みや不快感を最小限に抑えつつ検査を行うことができます。
患者様の混同される単語に「腹腔鏡」があります。これは全身麻酔下で手術の術式です。消化器外科、泌尿器科、婦人科などで腹部に小さな孔をあけ、そこから腹腔鏡を挿入してお腹の中を観察しながら手術を行うものです。「胸腔鏡」は呼吸器外科や心臓血管外科で胸の中を観察します。
胃カメラでは咽頭・喉頭(いわゆるのど)から食道、胃、十二指腸までの範囲を観察します。声帯のポリープなども判別可能です。ものの通りが悪く、狭くなっていることを狭窄といいます。原因には腫瘍(がんやその他)で狭窄しているもの、炎症の繰り返しで生じるものもあります。
内視鏡では粘膜を直接観察するため、炎症や腫瘍を認めた際には組織を直接採取する「生検」を行って顕微鏡で良性か悪性かの診断をつけます。大腸では肛門から逆行して大腸の起始部である盲腸に至りそこから観察を行います。出血源や狭窄の有無(大腸憩室症やポリープ、大腸がん)を調べます。
内視鏡検査は胃・大腸問わず全くつらくないと感じる人は少ないのではないでしょうか。私自身も定期的に内視鏡検査を受けておりますが胃カメラは大変苦手です・・・。
「オェッ」となりやすい人(咽頭反射の強い人)には非常に苦しい検査です。
鼻の孔から挿入する経鼻内視鏡検査は口からの経口内視鏡検査と比べると苦痛は少なく済むことが多いです。それでもカメラに対して恐怖心がある方には鎮静剤を点滴で投与することで楽に検査が終了できます。
大腸の観察において腸の長さや性状により挿入しやすさには個人差が生じます。特にやせ型の女性などでは腸が長くたたまれた状態で、なかなか盲腸まで到達せず痛みを伴うことがあります。また腹部手術の既往(胃、大腸切除後や婦人科疾患の術後など)がある方でも癒着などにより痛みを伴うことがあります。もちろん検査をする医師の腕によっても異なります。
大腸検査では鎮静剤や場合により鎮痛剤を投与することで、ウトウト眠っているうちに検査が終了していたという状態が可能になります。検査中は呼吸状態の観察などが必要であり、検査終了後も休息いただく時間が必要です。
内視鏡検査が初めての方、過去に大変つらかった思いをされた方には積極的に鎮静剤や鎮痛剤を使用しての検査をおすすめします。
無症状だけれどもドックとして検査を受けたい方には消化管ドックで対応いたします。
胃カメラと大腸カメラの同日検査も可能です。特に大腸カメラは下剤を服用することが重要で半日がかり(実際は1日がかりになる場合もあります。)お仕事が忙しく平日は受診できないという方にも土日の診療も行っております。
当院ではフジフィルム社製の内視鏡を導入し、最新型のAI(人工知能)搭載システムである「CAD-EYE」により診断補助を行います。検査を行うのは医師ですが、人間の眼だけでは気が付かないような微細病変などもAIシステムが画面上に告示をし、見落としが少なくなるようなシステムを導入いたしました。
人工肛門(ストーマ)の方に対する大腸内視鏡検査で不安な点として下剤をちゃんと飲めるかどうかの心配があるかと思います。不安な方は当院広めのリカバリー室をご使用いただき下剤を服用可能です。オストメイト専用トイレはクリニック内に設置がありませんが、1階の共用トイレに設置されております。
人工肛門にも単孔式人工肛門やループ式人工肛門、旧肛門の残存有無などさまざまなタイプが存在します(これにつきましてはまた別の機会に説明いたします)。ストーマからの検査は医師側もストーマを熟知し、かつ慣れていないとその形状や肛門の状態など把握していない可能性があります。
外科医としてストーマを患者様に造設した経験、また多数の術後患者様の検査を行ってきた経験で対応いたします。
どうぞ安心して検査をうけられてください。
40歳以上で1度も内視鏡による検査を受けたことがない方はおすすめします。
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