大腸カメラ検査
大腸カメラ検査
※当院の疾患対象年齢は16歳以上です
大腸カメラとは、正式には「下部消化管内視鏡検査」と呼ばれている検査のことで、肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの全大腸(一部小腸)を調べて、炎症、大腸ポリープ、大腸がんの有無などを診断することができます。検査の際には必要に応じて、大腸ポリープの切除や、組織の一部を採取(生検)します。内視鏡で行う治療には内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などがあります。
大腸がんの発症には加齢、飲酒、喫煙、食の欧米化、運動不足といった生活習慣が大きく関わっているとされています。良性悪性境界の腺腫とよばれる大腸ポリープからがんが発生することが知られており、そのため腺腫の時点で切除することが大腸がんの予防につながります。また、大腸がんはかなり進行しないと自覚症状が現れにくいという特徴もあるため、早期発見のためには症状のない段階から定期的に大腸内視鏡検査を受けることが有効です。
当院では大腸内視鏡検査に対する「つらい」「苦しい」「痛い」「恥ずかしい」というイメージや検査に対する不安を解消できるような環境をめざし、1人でも多くの方に定期的に大腸内視鏡検査を受けていただき、地域の方々の大腸疾患の早期発見と治療に貢献したいと考えています。健康診断で便潜血反応陽性になった方、あるいは日ごろから便や腸などに不安がある方は、お気軽にご相談ください。
大腸というと日本人で一般的な長さは1.5メートル程度といわれています。蛇腹のようになっており、空気で伸展します。大腸のだいたいの走行はからだの中で固定されていますが、全員同じかというと全く違います。特に「S状結腸」と「横行結腸」と呼ばれている部位は固定されておらず、大変長い人が存在します。同部位が長いと内視鏡を挿入しても直線化できず、さまざまなたわみを生じてしまい挿入が困難になります。
腹部手術の既往があるかた(消化器外科手術、婦人科疾患での手術歴、泌尿器疾患での手術歴)もおなかの中で腸が癒着していて内視鏡が通過すると強い痛みを伴う場合があります。当院では痛みや不安を和らげるために鎮静剤や鎮痛剤を用いて楽に行える検査を提供します。
大腸内視鏡検査は圧倒的に経験がものをいいます。当院では外科医として実際に多くの患者様のおなかの中、大腸の走行をみてきた経験豊富な医師が検査を行います。内科医と同等もしくはそれ以上に検査やポリープ切除を行ってきたという自負もありますのでどうぞ安心して検査を受けてください。
院内で下剤服用可能です。小さな机と椅子、充電ジャックも準備しておりますのでPC操作などお仕事しながら検査の準備も可能です。なお、ミネラルウォーターなどは当院で準備しますので、500円の実費となりますがご用意しております。
検査で薬剤を使用した場合やポリープ切除をした後は安静が必要です。多くの医療機関などでは男女カーテン1枚隔てた空間での安静が多いと思われます。大腸検査後には排ガスがたくさんあったり、隣で更衣をする必要があります。当院では隣のかたを気にせず休息がとれるよう個室感ある回復室を用意しましたので気兼ねなくご利用ください。
使用機械に関してはフジフィルム製で、胃カメラ検査と同様に最新型の診断補助AI(人工知能)を搭載した内視鏡機器を導入しました。これは人間の目で観察しただけでは見落としてしまうような微小変化でもAIが正常組織と異なると判断した際には画面上にサインを出して表示するというものです。組織を採取(生検)するか、ポリープ切除をするかどうかの最終判断は人間である医師が行いますが、微小変化を見落とさないようにするための大変有用なツールであると考えております。
下記の症状がある方は一度、検査をお勧めします。
1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
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大腸内視鏡検査(観察のみ) | 2,500円 | 5,000円 | 7,500円 |
大腸内視鏡検査+生検※ | 5,000円 | 10,000円 | 15,000円 |
ポリープ切除(2㎝以上は増) | 5,000円 | 10,000円 | 15,000円 |
※生検とは病変の組織を一部採取して、顕微鏡で確認する検査です
※上記費用に診察料、薬剤料などが別途かかります
同検査を希望される方については、事前に診察が必要です。また常用薬のある方は、事前にお伝えください。何を服用しているかわからないという場合、お薬手帳をご持参ください。血液をサラサラにする薬(抗血小板薬、抗凝固薬など)、糖尿病の薬(インスリン、経口血糖降下薬)などは、休薬が必要となることがあります。
検査予約
大腸内視鏡検査をご希望の場合、事前に外来受診していただき、診察後に予約をします。この際下剤服用の注意点や食事に関しての説明などをさせていただきます。ご帰宅前に薬局で下剤をお渡しします。(予約システムから仮予約はできますが必ず前日までに受診が必要です。)
検査前日
食事に関する注意点を確認していただき、夕食は21時までに済ませてください。
水、お茶、スポーツドリンクは夜間も摂取可能です。
検査当日
検査
検査準備
リカバリールーム内で検査着に着替えていただきます。ロッカーが設置されておりますのでご利用ください。着替えの後はストレッチャーでお待ちください。
鎮静剤使用時は点滴ルートを確保します。内視鏡を挿入する前に鎮静剤や鎮痛剤を投与し、リラックス状態で検査を受けられるようにします。ストレッチャーのまま内視鏡室に移動します。
検査開始
潤滑ゼリーを使用しながら内視鏡を肛門から挿入します。二酸化炭素ガス(CO2)で腸の中に送気をしながら大腸の観察を開始します。
大腸内を観察
盲腸まで到達したら大腸内腔を観察します。その際に必要に応じて組織を一部採取(生検)したり、ポリープをその場で切除することもあります。
検査終了
観察だけなら15~30分程度で終了です。ストレッチャーのままリカバリールームに移動します。その後、医師より検査結果について説明があります
検査後
鎮静剤を投与している場合やポリープ切除後は30分~1時間程度は院内で休憩し、問題がなければご帰宅となります。(鎮静剤を使用しない場合はお着替えいただきご帰宅可能です)。鎮静剤を使用した場合、自転車やバイク、車等の運転はできませんのでご注意ください。
大腸カメラ検査を受ける際には下剤(腸管洗浄液)の服用が必須です。大腸内の便を排泄させ、観察しやすくするために必要です。大腸内に便が残っている状態だとポリープやがんなどの病変を発見する妨げになります。
しかし患者様の多くは下剤について「飲んだことがないからよくわからない」「味が苦手」「大量に飲むのがつらい」「吐いてしまったことがある」とネガティブなイメージを持っている場合があります。
そのため、当院では患者様のニーズに合わせて選択肢を提供し、不安や不快感を最小限に抑えることを目指しています。患者様一人ひとりに合った下剤を選定し、快適な検査の受け入れをサポートしています。
下剤の種類 | 口当たり(味) | 飲む量 | 洗浄力 | 飲み方 |
---|---|---|---|---|
ニフレック | 強めの塩味 | 水に溶解して2L | 〇 | 2時間かけて |
モビプレップ | やや梅風味 | 服用量の半分の水分を摂取 (モビプレップ1.5Lに対し水分750ml)水と交互に摂取 |
◎ | 3時間を目安に |
サルプレップ | レモン風味 | ペットボトル(480ml)を最大2本 | ◎ | 480mlのペットボトルを30分かけて1本飲み、その倍量の水分を摂取(検査当日の場合は3時間で、検査前日と当日の服用方法もあり) |
ビジクリア | 強めの塩味 | 1回5錠ずつを水(お茶でも可)200mlとともに15分毎に計10回50錠内服 | 〇 | 2時間半で |
各下剤の作り方・飲み方・当日の流れについて動画で解説しています。検査前にぜひご覧ください。
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