一般外科の主な疾患
一般外科の主な疾患
※当院の疾患対象年齢は16歳以上です
胆汁の成分が、胆汁が通る道(胆道)で、何らかの原因で固まってしまったものが胆石です。胆石のできる場所は、肝臓、胆管、胆嚢になります。結石の存在する部位により、肝内胆管結石、総胆管結石、胆嚢結石と呼ばれます。胆石症というのは、肝臓や胆管、胆嚢に石ができて、痛みなど様々な症状を引き起こす病気の総称です。
胆石症は、食生活の欧米化や高齢化などを背景に年々増加しており、最大の原因はコレステロールを摂り過ぎた食生活と考えられています。コレステロールが体に多く取り込まれると、胆汁内のコレステロール量が増え、胆嚢の働きが低下することなどが要因とされています。糖尿病、血縁者に胆石症患者さんがいる人なども注意が必要です。
胆道痛といわれる特徴的な痛みがみられます。みぞおち、特に右の肋骨の下の部分、右肩あたりに激しい痛みが広がります。この痛みは食後に出ることが多いのも特徴です。一方で、無症状胆石といって痛みの症状が現れない人もいます。
膵炎の主な症状としては腹痛、嘔吐、食欲不振です。【祈りのポーズ】という伏せの状態からお尻だけをあげる姿勢が見られることもあります。
膵炎を診断するには、他の病気を除外しながら進めていきます。
問診で誤食が無いかを確認をし、触診で上腹部の痛みがないか確認します。
血液検査では白血球数の上昇、CRPと呼ばれる急性炎症蛋白の上昇、リパーゼの上昇、アルブミンの低下などが認められます。また外部の検査で膵特異的リパーゼという免疫活性の測定を調べることが出来ます。
レントゲン検査で膵炎を特定することは困難ですが、異物の有無を確認するのに行ったりします。
腹部超音波検査では膵臓の腫大や膵臓周囲の炎症、腹水の有無の確認を行うことが出来ます。
急性膵炎の場合、治療は点滴がメインとなります。残念ながら特効薬がないのが現状です。
また、点滴の他に制吐薬や鎮痛薬を併用することもあります。急性膵炎は治療に時間がかかる場合があります。そのため入院が必要になることもあります。
近年では、初期の膵炎に対して用いる新薬が登場してきました。これを上記の治療に併用することで、重症化を防ぐ可能性が示唆されました。
食事に関しては低脂肪食が必要となります。
一般外傷とは、創傷(皮膚表面のけが)など、一般的に「けが」と総称されるものを指します。傷や火傷は直接命に関わるわけではないため、「つばをつけておけば治る」「洗って傷テープを貼っておけばいい」「この程度で病院に行くのは大げさだ」などの考えから、多くの場合は家庭で対処されてきたのではないでしょうか。しかし、「傷跡」を残さないためにも、受傷直後の来院をおすすめします。
鼠径ヘルニアとは、いわゆる脱腸のことをいいます。お子様の鼠径ヘルニアは、在胎中にお腹の腹膜にできる袋状の突起物と関係しています。お子様の場合、大多数が外鼠径ヘルニアです。鼠径ヘルニアは、生後1年以内に全体の3分の2が発症します。男児が女児より多く、右側が左側よりも多くみられます。また両側にある場合は8%との報告があります。
鼠径ヘルニアは、開存した腹膜鞘状突起内に腹腔内臓器の一部が入り込んだ状態をいいます。腹膜鞘状突起は、胎生3ヶ月目に腹膜の一部が内鼠径輪へと突出することにより発生する小さな袋状の出っ張りです。通常、腹膜鞘状突起は出生までに自然に閉じますが、鼠径ヘルニアではそれが閉じずに残る、過剰腹圧や腹腔内液体成分貯留などで発症すると考えられています。
この袋状の腹膜鞘状突起がお腹の中と小指くらいの穴でつながっており、いきんで腹圧が上がると、この穴から腸管、卵巣、大網などの内臓が袋の中にとび出します。そうなると足の付け根の股のあたりである鼠径部、あるいは陰嚢が腫れて見えるようになり、この状態をヘルニアといいます。この状態では特に痛みは感じませんが、とび出した内臓が腹壁の穴で強く絞めつけられ内臓の血流が悪くなると痛みがでます。こうなることをヘルニア陥頓といい、緊急にもとに戻さないと内臓が壊死します。腹膜鞘状突起が部分的に閉鎖したり、穴が非常に小さかったりするときには水がたまって男児の場合には陰嚢水腫、女児の場合にはNuck管水腫となります。
症状としては、腹圧が加わったときなどに表面平滑で柔らかい鼠径部のふくらみとして発見されます。陰嚢水腫では、陰嚢内で透光性を持つふくらみに触れます。鼠径ヘルニアでは、非常に慣れた手によると鼠径部皮下の肥厚したヘルニア嚢がすれる感覚があります。ヘルニアでは特に入浴後の起立時、または啼泣時に膨隆がよくみられます。ヘルニアの大半は腹圧がとれると自然にお腹に戻りますが、腸がはまり込み戻らなくなった状態を嵌頓と呼びます。嵌頓は放置しておくと腸の血流障害から腸が腐ったりするので手で戻します。
TOP