2026年3月22日

**大腸カメラの「ADR(腺腫検出率)」とは? がん予防のために大切な指標について**
大腸がんは、日本で増えているがんの一つです。しかし、その多くは 「腺腫(せんしゅ)」という良性のポリープから時間をかけて発生することがわかっています。つまり、腺腫をしっかり見つけて取り除くことが、大腸がん予防の第一歩 になります。そこで重要になるのが、今回ご紹介する ADR(腺腫検出率) です。
🩺 ADR(腺腫検出率)とは?
ADRとは、大腸内視鏡検査を受けた方のうち、「腺腫」が見つかった割合 を示す指標です。たとえば、
100人の検査で20人に腺腫が見つかれば、ADRは20%となります。
この数値は、内視鏡医がどれだけ丁寧に、質の高い観察を行っているかを示す大切な指標として、世界
中で用いられています。
全検査に対するポリープの切除率が高いことだけを公表しても、過剰切除の可能性(切除不要の良性ポ
リープやがん化リスクが低いものまで切除)や患者へ十分な説明がないまま切除されるケースなどでは
診療報酬目的の切除(不必要な処置で利益を得る)の可能性もありますので信頼度は低くなります。

🔍 なぜADRが大切なのか
多くの研究で、ADRが高い医師ほど、検査後に大腸がんが見つかるリスクが低い
ことが明らかになっています。つまり、「腺腫を見つける力」=「大腸がんを防ぐ力」
と言っても過言ではありません。患者さんにとっても、
「質の高い検査を受けられているかどうか」を判断する一つの目安になります。
・ADRが 1%上がるごとに、後の大腸がん発生が約3%減少
・高ADRの内視鏡医ほど、見逃しが少なく、がん予防効果が高いとも言われています。
📊 一般的に目標とされるADR
医療ガイドラインでは、以下の数値が一つの目安とされています。
• 男性:25%以上
• 女性:15%以上
• 全体:20%以上
当院では、この基準を上回ることを目標に、丁寧で確実な観察を行い、見逃しのない検査を
心がけています。
🏥 当院が質の高い検査のために行っている取り組み
当院では、ADRを高め、より安全で確実な検査を提供するために、次のような取り組みを行っています。
• 丁寧で時間をかけた観察;盲腸から直腸まで、粘膜をくまなく確認します。
• 最新の内視鏡機器を導入;AIが搭載された内視鏡が高画質・高精細な画像を提示し、微細な病変も見逃
しません。腫瘍性ポリープか非腫瘍性ポリープかどうかを見分けながら切除しています。
• 粘液除去や洗浄の徹底;視野を妨げる要因を取り除き、観察しやすい環境を整えます。
• 見つけにくい病変(SSLなど)への注意;平坦で気づきにくい病変も意識して観察し、右側結腸のSSL
は切除するようにしています。
ADRは、大腸カメラの質を示す、もっとも重要な指標の一つ です。
🌱 まとめ:ADRは「大腸がんを防ぐための大切な指標」
当院では、腺腫をしっかり見つけて取り除くことで、大腸がんの予防につながる検査 を提供できるよう
努めています。
大腸カメラについて不安や疑問がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
当院ではできる限りデータを公表していく予定です。
