検査の重要性|川口駅東口から徒歩3分の内視鏡検査|かわぐち胃腸と内視鏡クリニック

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検査の重要性

検査の重要性|川口駅東口から徒歩3分の内視鏡検査|かわぐち胃腸と内視鏡クリニック

2024年6月16日

こんにちは。山田です。医療コラムですが大腸の話から始めようかと思います。私は母校を卒業後順天堂大学の下部消化管外科学講座(大腸肛門外科)という医局に所属し、そこから前任地の済生会川口総合病院で勤務しておりました。専門は下部消化管の外科、検査を担当していました。一般外科として胆石やヘルニア、また肝胆膵疾患の手術も行っておりました。上部消化管(食道や胃、十二指腸のことをいいます)については通常の内視鏡検査を行っていました。

消化器系のがんの中で胃がんについてはヘリコバクター・ピロリ菌が主な原因であることは常識の範疇になってきたと思われます。ピロリ菌を除菌することで胃がん発生のリスクが減少します。一方ピロリ菌に関連のない胃がんや除菌後の胃がんも存在しますし、悪性リンパ腫といったようなものも胃には発生します(血液疾患だけに思われがちかもしれませんが)。食道がんに関しては発がんのリスクとして飲酒や喫煙などが知られていますが、近年では「フラッシャー」といって、飲酒の際に顔が真っ赤になってしまう人は食道がんの高リスクであることがわかってきました。筆者もお酒を飲むと顔が真っ赤になります。しかしながら酒に弱く、飲みたいと思う事がほとんどありません。フラッシャーが毎日のように飲酒を続けていわゆる「顔にでるが強い」というようになってしまうと食道がんの高リスクです。厚生労働省が2024年2月に『健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』を公表し、それによると純アルコール20g/日(ビール500ml 1缶程度)で食道がんだけに限らず大腸がんの発症リスクも上がるとのことでした。ここ最近では酒造メーカーが酎ハイのストロング(アルコール度数高め)の市場から撤退したり、ソフトドリンクでの飲み会でも問題なくアルコールハラスメントをなくすような働きかけも見受けられます。喫煙と飲酒はやはり要注意といえるでしょう。

大腸癌に関してのリスクファクターとして以前から指摘されていたのは高脂肪食、低繊維食など食の欧米化といったことが指摘されていました。発がんには腺腫と呼ばれるポリープから年月をかけてがんに移行する病態、前駆病変を経ることなく正常組織から癌腫が直接発生する事象をde novo発癌とよばれています。また、家族性大腸腺腫症(大腸内に100個以上のポリープが発生し、100%発がんする)は親からの遺伝子が受け継がれて子が発症するという遺伝によるものもあります。大腸がんを早期で発見するにはやはり検査が重要です。川口市検診やドックで行われる便潜血検査はもっとも簡便でかつ信頼度が高い検査です。1日法と2日法がありますが、いずれにせよ陽性結果が出た場合に放置しないでください。外科医をしていた間、患者さんとの出会いの多くはがんと検査で診断された方々でした。お話を伺い「数年前から便潜血陽性といわれていたが放置していました」とおっしゃる方が何人もいました。その一方で毎年便潜血検査を受けていたが陽性と指摘されたことは一度もなかったという方もいらっしゃいました。検査の精度は100%ではありませんが陽性の方はぜひ受診されて内視鏡検査を受けてください。また、下血や排便時出血の患者さんに行う検査でもっとも簡便なものに直腸診と肛門鏡検査があります。お尻を見せるという行為には抵抗もあるかと思いますが、痛み止め入りのゼリーを付着させた指で直腸を診察します。肛門からすぐの直腸に進行がんが存在する場合は経験の豊富な医師であれば簡単に触知して診断が可能です。この簡単な検査を施行せずに「痔だと思うので薬を使ってください」と何カ月ものあいだ癌を発見するタイミングが遅れたというケースにもしばしば遭遇しました。加えて大切なことは普段から排便後にトイレでご自身の便をみて色調や性状などをチェックしてみてください。便自体に血液のスジが入っているという状態は要注意です。

大腸内視鏡検査はほぼ1日がかりです。朝から下剤を服用して腸内を洗浄します。腸内に便が大量に残っていると細かい病変などが存在していても見つけることができません。大腸は盲腸(一般的に盲腸の手術をしましたというのは急性虫垂炎と呼ばれるものであり、「盲腸」は大腸の一部分です。)から始まり上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸→という順番ですすんでいき肛門に達します。大腸内視鏡検査は盲腸まで観察をしないと検査として成立しません。しかしながら腸の長さが非常に長かったり、過去の手術の影響で強い癒着を生じている場合などは挿入困難なケースも存在します。当院では大腸内視鏡検査を受けられる方の不安や痛みを軽減できるよう鎮静剤や鎮痛剤を用いて行うことが可能です。検査後は回復室でゆっくり休息をとってから帰宅していただきます。スタッフも内視鏡の知識、看護経験が豊富ですのでお困りごとがありましたら何でもご相談ください。今後も外科医としての経験などをもとにコラムを書いていこうと思います。宜しくお願いいたします。

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